フィッシャー症候群 闘病日記

2015年9月8日

担当医との出会い

8月28日 月曜日
これから私を担当していただく、K(木村)先生他、神経内科の先生方と会う。
ウィルス性(ギランバレー症候群およびその亜種)の病気、もしくは脳梗塞その他の可能性もあり、すべての可能性から検証していただいているとの事。単に症状から病名の特定をするのは危険で、MRI検査にしても一度で分からず何回目かで分かる場合もあり、ウィルスや神経系など様様な病気の可能性があるため様様な可能性の中から特定するようにしていると言うことでした。そして、それが特定できてから、次に、完治し、再発しないよう万全の治療を行います、と言っていただきました。

症状はどんどん悪くなっている感じ。
目はろんぱってしまい、左目があさっての方向を見てしまっている…。天井を見ても照明が2つに見える(本当は一つなのに・・・)。

両足は完全に力が入らず、立ち上がることができない。

お手洗いにもいけず、尿瓶はまだ我慢できるにしても、大便もベッドの上で・・・(おもらしではないですよ!看護士さんを呼んで、ベッドの上で小さなおまるのようなものを使いました)。
これには正直、ショックでした。つい数日前までお手洗いなんて自分で行っていたのに、それもできなくなってしまうなんて・・・。私はこの先どうなってしまうんだろうと思いました。正直、何度も死も意識しました・・・。遺書を書いた方が良いのかとも思ってしまいました・・・。

それから、自分で思っていたよりも、自分は弱かったんだ、と己の弱さを知りました。
自分は本来、ポジティブシンキングな人間だと自負してきました。今まで、いろんなことがありましたが、すべて自分の血となり肉となっている、人生に無駄な経験はないんだと信じていました。そして、目指すのは、「ポジティブな馬鹿野郎」ではなく、「馬鹿みたいにポジティブな野郎」(2つは似て非なりですが)と言うことで、「馬鹿ポジ」(私の造語です)を自認してきたつもりでした。ですが、今回ばかりは、さすがに・・・・・ショックが大きく、なかなか入院当初は心の中まではポジティブになれませんでした。

頭は正常なのですが、ろれつは多少回っていなかったです。舌先が長くなってしまった感じでした。ろれつは1週間くらいで比較的普通に戻ってきました。これに関しては安心しました。

そして、なにより眠くて、入院して最初の週は、お見舞いにきてくれた家族や会社の人や以前の会社の知人、上司や友人と話す以外は大体寝ていました。この頃、連日、妻や会社の人や友人、親兄弟などお見舞いに来てくれました。一人だと不安なことばかり考えてもしまうので気分を切り替えるには助かりました。本当にみなさんありがとうございました。

最初の週、妻が会社を休んで一緒に病室で看病してくれました。心強かったです。

心肺は相変わらず右半分を中心に体の半分以上(両手足)が硬直する感じで引きつり、特に夜は胸がバクバクしてしまい、この頃、夜間に病室で心電図も取りました(が、大丈夫と言うことで、マイスリーを飲むも、なかなか朝方まで寝付けません。結局寝つきが悪いのは退院まで続きました。ま、このあとの入院中の日々では、昼間暇な時、透析などの治療中に眠れるのでこれはこれでよかったのですが・・・)。何より、朝、ちゃんと目が覚めるかどうか、不安になってしまう日々が続きました(大丈夫だったのですが、人間、何事も不安に思えばどんどん不安になっていくものだと分かりました)。
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精神的な不安の増加

8月29日 火曜日
このへんで、私の方の親族とも、なんだか煮詰まってきました・・・。なかなか病名が特定しない中で、私はずーっとこのままではないかというケースを想定したようで、こちらとしては良くなる方向で必死にポジティブに考えようとしていたのでぶつかってしまいました・・・。相手も私のことを思っての行動であったのはわかりますが、私自身でも最悪のケースも踏まえて夜も眠れない日が続いてはいましたが、必死に、「俺はひと月後には必ず良くなっているはずだ、この状況はもうすぐ症状が反転するはずだ、大丈夫、きっと良くなる」と信じ込む日々でしたので、皆の心労がいろいろと目に見えて顕著化してきたのがこの時期でした。

症状は相変わらずで立つこともできません。
食事は入院当初から、何とか自分で箸を持って食べてはいたのですが、右手は引きつって痺れが強く、なんとかかんとか箸を持っているような状態でした。

視界も相変わらずダブっているのですが、不思議とテレビなどはこの頃からなんとなくはっきり見えるようになりました。このあとも複視は続くのですが、平面な物(テレビや絵、本など2次元の物)を見るのは、特定の距離を見つづけているとピントが合いやすくなるようでした(テレビは一日中見るので、目が合ってきた感じでした。それ以外は、窓の外の景色など立体の物はぜんぜん良く分からず、景色は10階の病室なので綺麗なはずなのですがこの頃はまったく見る気がしませんでした)。

お風呂に入れないので頭や体が痒かったです。
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8月30日 水曜日
症状は相変わらずでした。

この頃、もう一度MRIを受けました。ストレッチャ-で運んでもらいました。最初のMRIで症状が出なくとも2,3日後にMRIで脳に異常が見られる(血栓が見つかるなど)こともあるとの事で、再検査でした。結局、MRI検査では異常は見られず大丈夫でした。これから2週間くらい、9月の中旬くらいまでは、検査で運んでもらう間中、周りの景色がぐらぐら回り、ダブって見えて、とってもふらふらした感じでした。

ただ、この頃、はっきり病状が断定されないため、精神的に参っており、
「むしろ、MRIでなにかしら小さな血栓でも出て、軽い脳溢血などの診断をされ薬で散らすなど対処できて良いのでは・・・?なんか見つかってくれ、断定してくれ、そしてすぐ治療してほしい・・・」
と言う気持ちが強くなっていました。とにかく病名がはっきり分からないのが一番不安だったです。
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